前回は褒めるということをお話させて頂きました。

今回のこの叱るということも難しいことです。

難しいというよりも、「部下を叱れない」といった方がいいかも知れません。

この叱れないという理由には何があるのでしょうか?

叱ることができない、上手ではない。
それは相手(部下)の感情や気持ちを思うから
叱れないのがよくあるパターンです。

もっと掘り下げると、叱った後の部下へのフォローが面倒だから叱れない、
叱った後の部下との関係が気まずいから叱れない、
というのがホンネだと考えます。

確かに叱ることは非常に労力がいりますし、気を使うことも多いですが、
自分(管理職)を守っているパターンです。楽をしているパターンです。

もう一つは放任です。
放っておくということですが、叱るというのはその部下のことを大切に思うから、
その部下にうまく育ってほしいから叱るのです。

でも例えばですが、何度も何度も同じことを繰り返す部下がいます。
結局根負けして、管理職としても諦めが出てきます。

後でどうなったとしても、本人の責任だ!といった感じです。

叱れない理由を少し深く考えましたが、
一つは叱った後の面倒な部分から逃げているパターン。

もう一つは諦めているパターン。
叱れないのはこのどちらかの理由が大抵あてはまります。
どちらも管理職としてはまずい形といえます。


この叱るでさらに重要なことが、「叱る」と「怒る」という違いです。

「怒る」は感情的になり腹を立て、そのまま部下にぶつけてしまうことです。

部下にぶつけてしまうことによって部下は理解できなくなります。

感情的になった叱り手のことをよく聞いて、
理解しようとする部下なんてのは世の中いません。

ただ、「なぜ?」「何に対して?」という思いしか残りません。

「叱る」というのは、「具体的に改善したい点を指摘すること」です。

どの部分がよくなくて、改善が必要なのか?わかりやすくなると
部下も前向きになれます。

「感情的になる」 = 「叱る」ことではありません。


逆に部下も気づかないといけない部分があります。

感情的ではなく、平常心で管理職から指摘を受けているとき・・・。

これは叱られている時なんだ!という認識を部下は持たなくては
なりません。

平常心で部下に伝えても、部下が改善されないので
管理職も感情的になってきます。

お互いがこの「叱る」という意味を理解しなければなりません。

次回は「叱る」時のいくつかの手法をお話させて頂きます。